江戸時代の論語
江戸時代は、各藩が藩校で、朱子注の論語を講じていました。これは原文も漢字でかかれ、注釈部も漢文で書かれたものを、訓読していました。一方、民間においては、町民を相手に、原文部は漢文ですが、通釈部は仮名書きにした論語などが、寺子屋などで講じられていました。興味深いのは、藩校での論語はいうまでもなく、町人相手に講じられた論語も、抜粋ではなく、きちんと最後まで読まれていることです。
現在は論語に限らず、源氏物語などの古典物も、大半はダイジェスト版であるのと、対照的です。世の中がじっくりと物を考えなくなったあらわれでしょか。
ここに江戸時代刊行されました経典余師論語を紹介します。これは勧学堂論語普及会のある大津市南志賀の旧家に保管されていたものです。原文の漢文のほか、上には書き下し文、横に仮名で解説があります。
勧学堂論語普及会 輿石豊伸
2009.5.1
経典余師 論語(一〜四) 文化15年(1818)刊
現在は10ページほど紹介用に読んだだけで休止中ですが、時間を見て読んでいきたいと思います。江戸時代の教育のあり方が分かるような気がします。
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