顔回(がんかい)
顔淵ともいう。孔子より三十歳若く、弟子の中で最も学問を好んだ。そのために孔子の信頼も大きかった。次に「論語」の中からいくつか、顔回に関する記述を拾ってみました。
1)魯の王、哀公(あいこう)が孔子に「あなたの弟子で学問を好むのは誰でしょうか」と尋ねたのに対して、孔子は「顔回という人物がいます。彼は怒りを覚えても、決して他に八つ当たりすることもなく、また二度と同じ過ちを犯すことはありません。不幸にして短命でなくなり、現在ではもう学を好む者もいません」(六 雍也2)
2)同じ巻に「顔回は何ヶ月も思いやりの心を持ち続けることのできる人物です。その他の連中は一日だけ、あるいはある月だけ思いやりの心を持つだけだ」(六 雍也5)ともあり、顔回が思いやりの心を常に失うことがなかったと述べている。
3)顔回の生活について、「賢なるかな回や、一箪(いったん)の食(し)、一瓢(いっぴょう)の飲、陋巷(ろうこう)に在り、人其の憂ひに堪えず、回や其の楽しみを改めず。賢なるかな、回や」と、顔回はわずかな食事、わずかな飲み物、狭い路地に住み、とても他の者では堪えることのできない貧しい暮らしをしていても、顔回は自分の楽しみを変えることなくできる人物である、として褒め称える。(六 雍也9)
2008.2.6
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