一日一章の論語・和本論語(全) 

           講師紹介     

               勧学堂論語普及会代表者

 

論語にもどる

講師:輿石豊伸(こしいし ほうしん)

 60代前半の写真です。現在は大分落ちぶれています。

◇私は1948年1月、京都市左京区で生まれました。大学卒業後、沖縄には古い言葉が残るのを知り、その研究をおこないたいと、沖縄に行きました。沖縄では地元の予備校尚学院に漢文・古文の講師として十三年間勤務し、この間、琉球漢詩の存在を知り、その研究を行ってきました。都合で沖縄を去り、京都へ戻り、河合塾に漢文・古文講師として勤務。1991年、河合塾から代々木ゼミナールに移り、講師とし2005年12月まで勤務、また大阪予備校講師として漢文を2006年3月まで行う、など漢文の講師を長くやってきましたが、同時に出版業務をも行い、今日に至っています。

この間1991年3月(有)オフィス・コシイシを設立し、出版・編集業務を行う。現在同社代表。

また2002年3月、伝統和本の復興を求めて、和とじ館をつくる。

○(有)オフィス・コシイシは、私のライフワーク「琉球古典漢詩シリーズ」を刊行する目的で設立し、現在まで「蔡大鼎集」「林世功・林世忠集」を刊行いたしました。続刊の為、日々努力をしています。

○和とじ館は、大量に印刷され棄てられていく、大量印刷物出版の日本の現状に危惧し、和紙や伝統の美術布を見直し、そこから地球環境にやさしい文化を目ざしたいとの思いで、和本職人の妻恵美子と起こしたものです。

有限会社オフィス・コシイシ代表取締役 勧学堂・論語普及会代表  

◇著書

琉球古典漢詩シリーズ「蔡大鼎集」「林世功・林世忠集」 「征台の役従軍記」(ハウス・翻訳共著)

参考書類「基礎漢文」(桐原書店)「基礎からの漢文」「発展漢文」(以上音声ブック)など多数。

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 なぜ今論語か

美しい日本はまず人の心から

「論語」は世界で最も読まれている書物とされますが、日本では江戸時代盛んに読まれた反動でしょうか、今日ではほとんど読まれなくなってしまいました。しかし、親が子っを虐待する、子が親をあやめる、こうした異常な事件が日常化してしまった今日、もう一度人間が人間性をとりもどすには、乱世を人間として生きた孔子の生き方をつづった「論語」を読む必要があるように強く感じます。

 「論語」は、江戸時代幕府という体制を維持するための儒教の根本教典として利用されましたので、何か保守体制を維持するものと思われがちですが、人を人とも思わない乱れきった時代を、ひたすら人間の心を信じ苦しみつつ生きた孔子の生き方は、今私たち現代を生きる者に、人として生きるためのリスク学としてよみがえるように思いました。

 孔子の生き方の基本は、例えて言うならば原木を削り、磨き上げて一つの彫刻へ仕上げるように、人(=自分)を磨き上げて、真の人間に作り上げていく、いわば自己創造の道と言えます。孔子はかならずしも成功を遂げた生き方はできなかったのですが、失敗、失意、焦りの中から「人はどう生きるべきか」をひたすら追求しました。学ぶべき価値の多い一書だと思われます。

 高校時代「論語」に初めて接し、予備校講師をしていた関係で、何度も目にしていましたが、本格的に心を入れて読もうと真剣に取り組みだしたのは、昨年(2006年)長く住んだ京都から滋賀県大津市の南志賀に移った時です。引っ越しの荷物から古い論語の本が転げ落ちて来たことと、偶然越してきた地が、天智天皇の都した大津宮の一角で、旧名を勧学堂と知り、因縁めいたものを感じたからです。毎日数章ずつよんで、古くて新しい孔子の考えをぜひ味わってください。

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「勧学堂・論語普及会」は大津市南志賀1−11−24です。